予防歯科
なってから治すのではなく、ならないための予防歯科(PMTC)

「予防歯科」という言葉をご存知ですか?
北欧などでは、歯科医院は予防の為に通うところです。
日本ではまだまだ「歯科医院は痛くなってから通うところ」と思っている方が多いのではないでしょうか。
昔歯科医院で痛い思いをしたから歯科医院にはあまり行きたくない・・・
そう言われる方が多いのですが、予防歯科はそんな「痛い思い」をしないために、歯が悪くなることなく、ずっと健康でいるための方法です。
CureからCareへ。(治療から予防へ)
事前にお口の中のリスクを軽減し、定期的にケアして頂ければ、ずっと健康な歯でいれる可能性がぐっと高くなります。
当クリニックでは予防専用ルームもご用意しています。
疲れたときにマッサージにでも行くような気持ちで、歯のケアに通ってみませんか?
新時代の虫歯予防 CAMBRA導入 (全米65の歯科大学のうち40校で採用)
お口の中には、【 むし歯を起こす力 】と【 むし歯を防ぐ力 】が働いています。この両者は常にせめぎ合っており、むし歯を起こす力が虫歯を防ぐ力を上回るとむし歯になりやすくなります。

このバランスは個人によって異なりますし、その人の生活習慣などによっても変化します。CAMBRAは専用の質問票を用いて、「虫歯を起こす力」と「むし歯を防ぐ力」がそれぞれどのぐらいのものかを評価し、今そのバランスがどちらに傾いているか(リスク評価)、むし歯になりにくい状態を保つにはどうしたらいいか(むし歯の管理方法)を教えてくれるツールです。

保険制度のないアメリカ開発された検査方法で、むし歯予防のために今日まで真剣に議論がなされてきました。特に統計的にむし歯が多かったカリフォルニア州では、いかにしてむし歯の発生率を下げるかが大きな課題でした。
そうした背景から生まれた、効率のよいむし歯の管理方法が「CAMBRA」です。
従来の予防と大きな流れは同様ですが、よりシンプルで分かりやすく、可能な限り医学的根拠に基づいたものになっています。
【STEP1:アンケート記入】
現在の生活習慣やオーラルケアグッズの把握の為、アンケートに記入してもらいます。
【STEP2:問診】
アンケートより詳しくお話を聞きます。
1)最後に虫歯の治療をしたのはいつか
2)食事について
3)オーラルケアグッズの種類と使用方法

【STEP3:口腔内検査】
担当歯科衛生士が口腔内の検査を行います。
1)口腔内の細菌数を測定します
2)唾液量の測定
3)磨き残しのスコア
4)口腔内の検査
【STEP4:結果説明】
あなたの虫歯のなりやすさを4つのグループで判定し、結果に基づき虫歯にならないための予防方法を提案します。
リスク分類 | むし歯になる可能性 |
---|---|
ローリスク | むし歯になる可能性は低い |
ミドルリスク | むし歯になる可能性は高くはないが、注意が必要 |
ハイリスク | むし歯になる可能性が高い |
エクストリームリスク | むし歯になる可能性が極めて高い |
【STEP5:実践】
リスクの高さに応じて、あなたに必要なケア方法やメンテナンスの頻度などをご提案します。
自分がどうしてむし歯になりやすいのかを知り、どうしたら予防できるのかを科学的な根拠に基づいて考えていきましょう。
原因を知り、歯を削らないように健康な歯を目指しましょう!
歯ブラシだけでは歯の汚れを落としにくい!?
虫歯や歯周病の原因となる歯の汚れ、以前は歯磨きで取れる「歯垢(プラーク)」と、歯垢が固まって器械を使わないと取れない「歯石」の二つがあると考えられていました。
しかし、最近ではそれらが歯の表面に定着するのは、その中間の「成熟したプラーク=バイオフィルム」が存在しているからだと分かりました。
歯の表面や歯と歯ぐきの間などに汚れがたまると、それを栄養にして細菌のかたまり群が付着します。
これが、「バイオフィルム」です。

多種多様の細菌が複雑にからみあって強力にくっつき、しかも細菌が分泌する多糖体に守られているので、歯ブラシや抗菌剤・消毒剤では取り除くことができません。
これを除去するのが衛生士による「PMTC」です。
プロによるお口の掃除:PMTC

20年程前にむし歯、歯周病の予防管理を目的として北欧でシステム化された歯のクリーニング方法です。
毎日すみずみまで磨いているつもりでも、歯と歯の隙間の磨き残し部分や歯ブラシの届きにくいところには頑固な汚れ(バイオフィルム)を蓄積させてしまいます。
そうしてできたバイオフィルムを、特別な訓練を受けた歯科衛生士が、専用の器具とフッ化物入りペーストを用いて、歯の周囲にいる細菌の塊を完全に取り除きます。
■PMTCの内容
【STEP1:歯石・歯垢除去】
歯ブラシでは落とすことの出来ない歯と歯の隙間の歯石や細菌が増殖している所を専用の器具で除去します。
【STEP2:着色除去】
タバコやお茶などによって歯と歯の隙間や粗ぞうな歯の表面に付着してしまった着色を粉末のジェットパウダーで完全にお取りします。
【STEP3:歯面研磨】
患者様のお口に合わせた薬剤のペーストと歯科専用のチップ数種類を使用して、歯を磨きます。
歯の表面だけではなく、歯と歯の隙間などまで、丁寧に徹底的にきれいにします。それによってプラーク(歯垢)の再付着を防止します。
【STEP4:ポケット洗浄】
必要に応じて、歯周ポケットに洗浄液を注入することによって歯周病の原因となる細菌の増殖を防ぎ、歯肉の炎症を鎮め、健康な細胞を活性化することにより引き締まった健康的な歯肉へ改善していきます。
【STEP5:フッ素塗布】
虫歯の予防・知覚過敏の予防になります。


PMTCの効果について
【歯周疾患の改善】
歯肉の下のプラーク(歯垢)を完全に除去し、歯肉炎の症状を改善します。
【虫歯予防】
バイオフィルム(歯の表面の汚染物質)を破壊し、プラーク(歯垢)の再付着を防ぎ、むし歯を予防します。
【審美性の効果】
歯の着色を除去し、光沢のある白い歯に回復します。
【歯質の強化】
フッ素入りペーストを用いることで歯の表面の再石灰化を促進し、むし歯に抵抗が強い歯をつくります。
歯のトリートメント
PMTC終了後は着色も無く、とても奇麗で非常に良い歯の状態になっています。
しかし、本来のご自分の歯の表面が過度の生活により、輝きを失い粗ぞうな面であれば短期間で再着色し、またバイオフィルムが定着しやすい環境にあります。
そこで、粗ぞうな面に出来てしまったミクロの傷に対して、ナノ粒子のハイドロキシアパタイトでケアします。
薬用ハイドロキシアパタイトは、歯の表面(エナメル質)とほとんど同じ成分ですので、とても馴染みが良くエナメル質の一部になってくれます。
この様にトリートメントを受ける事で、歯の表面が滑沢になり、輝きがある白い歯に回復する事が出来ます。
定期健診の重要性
細菌バイオフィルムの増殖をコントロールし、口腔内細菌が定着しにくい環境に変化させ、その状態を維持することで、むし歯や歯周病は未然に防ぐことができます。
そのためには、このようなPMTCが非常に効果的です。
もちろん、ご家庭でのセルフケア(歯みがき)が何といっても基本であることは言うまでもありません。
歯の健康を維持するためには、歯みがき(セルフケア)とPMTC(プロのケア)のバランスが上手にとれていることが大切です。今、お使いの歯磨き材や歯ブラシも、患者様の口腔内にあったものをお伝えいたしますので、お気軽にご相談下さい。