むし歯治療・MTAで神経を残す治療

むし歯治療

歯の構造

歯の構造

エナメル質

体の中で一番硬く、密度が高い組織。ほとんどが無機質からできていて、細菌が好む有機質はほとんど含みません。そのため虫歯の進行は遅い。再石灰化(再生)はわずかに起こります。

象牙質

細い管状の構造をしています。有機質を多く含んでいる柔らかい組織。そのため細菌が進入しやすいので中で増殖しやすい。虫歯の進行は早く、大きくなると痛みを感じることがあります。再生は起こりません。

歯髄

痛みを感じる神経や栄養供給をする血管。ほとんどが有機質からできています。細菌が歯髄に進入してくると激しい痛みを感じるようになります。再生は起こりません。

歯根膜

歯と骨の硬い組織の中にはさまれていて、クッションの働きをしています。歯触り、噛み応えなどを感じることができます。噛んで痛みを感じるときは、この部分に炎症があります。再生能力はそれほど高くありません。

セメント質

エナメル質と比べると硬さも密度も劣りますが、再生能力は高く、歯肉が下がってセメント質が出てくると、密度が低いため温度による痛みが出てくることがあります。これを知覚過敏といいます。

歯槽骨

歯を支えている骨。歯肉に細菌が進入して炎症が起こると骨は溶けてしまい、支えを失った歯はぐらぐらしてきます。再生能力は高くありません。

歯周ポケット

歯と歯肉の接着部位。まるでポケットのように少しくぼんだ溝になっています。歯周病はここから細菌が進入して、進行します。

虫歯はこうして始まる:知っておきたい4つの原因と予防の考え方

虫歯はこうして始まる:知っておきたい4つの原因と予防の考え方

虫歯は突然できるものではなく、いくつかの条件が積み重なることでゆっくり進行していきます。
そのため、虫歯の“原因”を正しく理解することは、治療だけでなく再発を防ぐうえでもとても大切です。
虫歯が発生するためには、「カイスの4因子」と呼ばれる4つの要素が必要だと言われています。

1|歯(宿主)― あなたの歯の性質が虫歯リスクを左右します

虫歯は、歯が存在しなければ起こりません。
当然のように思えますが、歯の強さや形、歯並び、唾液の性質などは人によって大きく異なり、この違いが虫歯のなりやすさに影響します。

例えば、
・歯の表面に深い溝がある
・歯並びがガタついて磨き残しが増えやすい
・唾液の量が少ない、または粘り気が強い
といった特徴を持つ方は、食べかすや歯垢が蓄積しやすく、虫歯になりやすい傾向があります。

唾液には口の中を中和する力や細菌を流す作用があるため、ストレス・加齢・薬の影響などで唾液が減ると、虫歯リスクが自然と高まります。
当院では、初診時の検査で歯の状態や噛み合わせ、唾液の性質などを丁寧に確認し、患者様に合わせたケア方法をご提案しています。

2|細菌(ミュータンス菌)― 虫歯の“直接的な原因菌”

虫歯を引き起こす中心的な存在が「ミュータンス菌」と呼ばれる細菌です。 この菌は、歯の表面に“バイオフィルム(強固な歯垢)”を作り、糖分をエサに「酸」を放出します。
酸が長時間歯に触れることで、歯の表面からミネラルが溶け出す「脱灰」が進み、穴へと変わっていきます。

興味深いことに、生まれたばかりの赤ちゃんの口にはミュータンス菌が存在しません。 多くの場合、家族の口との接触で乳幼児期に感染するとされています。一度定着すると完全に除去するのは難しいため、毎日の歯磨きや定期的なクリーニングがとても重要になります。

山手歯科クリニック大井町では、歯垢の状態や細菌の活動性を確認し、“どこに虫歯リスクが潜んでいるか”を患者様と一緒に把握しながらケアを進めていきます。

3|糖分(特に砂糖)― 食べる「頻度」が虫歯リスクを高める

虫歯菌が活動するうえで欠かせないのが「糖分」です。
特に砂糖を含む飲食物は、ミュータンス菌の大好物で、酸を作り出すスピードが速くなります。
注意したいのは、食べる“量”よりも“頻度”です。

例えば、
・一日中ちょこちょこ甘い物を口にする
・仕事中に砂糖入りのコーヒーを何杯も飲む
・スポーツ飲料やジュースを習慣的に飲む
といった生活スタイルは、口の中が酸性に傾く時間が長くなり、虫歯が進行しやすい状態が続きます。

「間食を減らす」「飲み物を水やお茶に切り替える」など、少しの工夫で虫歯リスクは大きく減らせます。

4|時間― 脱灰と再石灰化のバランスが崩れたときに虫歯が進行する

虫歯は一晩でできるものではありません。
細菌が酸を作り出し、それが歯に作用し続ける“時間”が経過することで、歯の表面が徐々に弱くなっていきます。
実は、歯は「脱灰(溶ける)」と「再石灰化(元に戻る)」を毎日の中で何度も繰り返しています。
再石灰化を助けるのが唾液の働きであり、唾液が十分に分泌されていれば、多少の脱灰は自然と回復できます。

しかし、
・糖分の摂取頻度が高い
・唾液が少ない
・歯磨きの習慣が不十分
といった状態が続くと、回復の力が追いつかず、虫歯が徐々に深くなっていきます。

虫歯のお話

歯の状態によって、虫歯の進行具合を段階に分けることができます。虫歯は気づかない間に進行してしまうため、痛くなってからでは手遅れになります。定期的に歯科健診を受けて初期の段階で虫歯を見つけましょう。

CO

COエナメル質の表面が酸によって白く濁った状態、もしくは溝が茶色になった状態です。見た目にはほとんどわかりづらい、虫歯の初期状態。この程度なら再石灰化が期待できますので、しっかり磨いて進行を防ぎましょう。また、フッ素により、虫歯の進行の予防、再石灰化の期待ができますので歯科医院での相談をお勧めします。

C1

C1エナメル質内に細菌が進入して穴があいた状態です。ここまでくるともう再石灰化はほとんど期待できません。
また、この時点では、まだ痛みを伴う自覚症状はほとんどありません。小さいうちに治療しましょう。

C2

C2象牙質まで細菌が進入した状態です。象牙質は柔らかいので、虫歯は中で大きく広がります。大きくなると冷たい水や風がしみるようになります。甘いものや暖かいものがしみるようになると歯髄(神経)を取る可能性が高くなります。

C3

C3歯髄まで細菌が進入した状態です。歯髄には痛みを感じる神経を含むため、細菌が進入すると炎症を起こし激しい痛みを感じます。熱いものがしみてズキズキ痛み出します。これを歯髄炎といいます。

C4

C3歯の根だけが残る末期症状。歯髄炎を放置すると、その痛みはある日なくなります。それは治ったのではなく、神経が死んでしまって感じなくなっているだけなのです。さらに放置すると歯の根の先から歯根膜に炎症が起こり、硬いものを噛んだりすると痛みや違和感を感じるようになります。

根尖病巣

根尖病巣骨の中まで細菌が進入し、根の先に細菌と膿が溜まっている状態です。噛んだときの違和感や痛みが出る場合がありますが、通常あまり症状はありません。
しかし、細菌の勢力と体を守っている免疫のバランスが崩れると膿の量が増えて激しい痛みが出ます。

症状がある場合や根尖病巣が大きい場合は、根の中に消毒薬を入れて細菌の数を減らして、痛みや違和感を抑える治療をします。
しかし、一度根の先に細菌が侵入すると完全に取り除くことは不可能で、再発の可能性があります。放置するとまれに喉や骨、骨の中の神経、最悪の場合脳に細菌が進入し炎症が起こり大変なことになる可能性があります。

虫歯になりやすい人の特徴

虫歯になりやすい人の特徴

虫歯は、「特定の生活習慣」や「口腔環境の違い」によって、なりやすい方となりにくい方がはっきり分かれます。
虫歯になりやすい傾向を正しく理解することで、将来のトラブルを大きく減らすことができます。

歯磨きが十分に行き届いていない方

もっとも直接的なリスクが高いのが、「磨き残しが多い方」です。
歯に付着した歯垢(プラーク)は細菌のすみかで、放置すると酸をつくり虫歯の原因になります。

どれだけ丁寧に磨いているつもりでも、
・奥歯の溝
・歯と歯の間
・歯ぐきとの境目
は磨き残しが多くなりがちです。

そのため、定期的に歯科医院で磨き残しのチェックやクリーニングを受け、正しいブラッシング方法を身につけることが大切です。
プロの視点が入るだけで、虫歯リスクは大きく変わります。

甘いものをよく食べる方

糖分は虫歯菌が最も好む栄養源です。
甘いお菓子やジュースをよく口にする方は、口の中が酸性に傾く時間が長くなり、虫歯になりやすい傾向があります。
特に注意したいのは「食べ方」です。
時間を決めずに何度も甘いものを摂ると、歯が酸にさらされる時間が長くなり、初期虫歯が進行しやすくなります。

虫歯予防のためには、
・おやつの時間を決める
・キシリトール入りのお菓子に置き換える
・食後のうがい・歯磨きを習慣にする
など、日常の小さな工夫が効果的です。

ダラダラ食べをしてしまう方

食事をすると口の中は酸性になりますが、時間が経つと唾液の力で中性に戻ります。
しかし、ダラダラと食べ続けていると、口の中が酸性の状態のまま長時間過ごしてしまい、虫歯が進行しやすくなります。

「食べる時間に区切りをつける」ことが、虫歯予防において非常に重要です。
間食が多い方は、食後のケアを徹底し、酸性の状態を長引かせない工夫が必要です。

お酒をよく飲む方

お酒を飲みすぎてそのまま寝てしまう、という経験はありませんか?
夜間は唾液の分泌量が減り、口の中が乾燥して細菌が増えやすい状態になります。
さらに、アルコールの利尿作用によって体の水分が失われ、唾液の量も減りがちです。

お酒を飲む習慣がある方は、
・寝る前の歯磨きを忘れない
・水分をしっかり補給する
・砂糖の多いカクテルやチューハイを控える
といったことを意識すると虫歯予防につながります。

歯並びが悪い方

歯が重なっていたり、凹凸があると、どうしても歯ブラシが届きにくく、磨き残しが増えてしまいます。
その結果、虫歯・歯周病のリスクが高まりやすくなります。

必要に応じて矯正治療を行うと、
・磨きやすいお口の環境になる
・虫歯・歯周病のリスクを減らせる
・将来の歯の寿命が伸びる可能性がある
など、健康面で大きなメリットがあります。見た目の改善だけではなく、予防の観点からも非常に価値の高い治療です。

歯医者に定期検診へ行かない方

「毎日しっかり磨いているから大丈夫」と思っていても、磨きにくい箇所は必ず出てきます。
歯石の除去やメンテナンスは、歯科医院でしかできません。

定期検診を受けることで、
・虫歯の早期発見
・磨き残しの確認
・歯石やバイオフィルムの除去
・正しいブラッシング指導
など、セルフケアでは補いきれない部分をカバーでき結果として、虫歯のリスクを大幅に減らすことができます。

虫歯ができやすい部位を理解する

1|歯と歯の間(最も虫歯リスクが高い場所のひとつ)

虫歯になりやすい部位|歯と歯の間

歯と歯の間は、最も汚れが残りやすい部位です。
どれだけ丁寧に歯ブラシを動かしても、ブラシの毛先はどうしても“面と面のすき間”に届きにくく、歯垢(プラーク)が残ってしまいます。
歯と歯の間に汚れがたまってしまうと、ミュータンス菌などの細菌が酸を作り出し、初期虫歯(C0)から象牙質に進む虫歯(C2)まで一気に悪化してしまうこともあります。

ケアのポイント

・歯ブラシだけでは完全に清掃できないため、デンタルフロスや歯間ブラシの併用が必須
・フロスは「のこぎりを引くように」動かし、歯の側面に沿わせて汚れを落とす
・歯石が溜まりやすい部位でもあるため、定期的なクリーニングが効果的
フロスを習慣化するだけで、虫歯や歯周病のリスクが格段に下がることがわかっています。

2|歯と歯ぐきの境目(溝にプラークが溜まりやすい)

虫歯になりやすい部位|歯と歯ぐきの境目

歯と歯ぐきの境目には、1〜2mmほどの細い溝(歯肉溝)があり、ここは歯垢が溜まりやすい場所です。
十分に磨けていないと、虫歯だけではなく歯周病の原因にもなります。
しかし、この部分は「磨いているつもりでも、毛先が当たっていない」ケースが非常に多く、歯ブラシの角度が重要になります。

ケアのポイント

・歯ブラシは45度の角度で歯と歯ぐきの境目に当てる
・力を入れすぎず、小刻みに優しく動かす
・鏡を見ながら毛先が当たっているか確認する
境目の汚れを毎日きちんと落とすことで、虫歯だけでなく歯ぐきの炎症や出血の予防にもつながります。

3|奥歯の溝(深い凹凸に汚れが溜まりやすい)

虫歯になりやすい部位|奥歯の溝

奥歯の噛む面は複雑な形をしており、細かい溝(裂溝)がたくさんあります。
ここは食べかすや歯垢が残りやすく、虫歯が発生しやすい代表的な部位です。
奥歯の溝に汚れが残っていると、特に初期虫歯が進行しやすく、自覚症状が出る頃には大きな虫歯になっていることも少なくありません。

ケアのポイント

・歯ブラシの毛先を噛む面にしっかり押し当てる
・縦方向・横方向など複数方向に動かすことで溝の汚れを除去
・お子様や大人の深い溝には、シーラントが予防に有効なこともある
噛む面の溝は磨いたつもりでも意外と磨けていません。
定期的にプロのクリーニングを受けることで、溝に詰まった歯垢をしっかり取り除けます。

細菌について

口の中の細菌は虫歯、歯周病、そして最近では、胃潰瘍、糖尿病、肺炎、心内膜炎などの内臓系の疾患とも関わりがあると言われています。その口の中に住む細菌のかたまりを特にプラークといいます。

プラークは歯の表面に付着していて、白くてやわらかく独特な臭いがします。例えばつまようじで歯の表面を引っかいて先についてくるプラークだけで、細菌が一億も含まれているといわれています。口の中は一定の温度と湿度、さらに栄養分の補給もあるため細菌の格好の住処です。
特に細菌が住みやすく、虫歯になりやすいのは図の三箇所です。

細菌について

プラークは時間の経過によりすぐに繁殖します。しかも歯を磨かなかったり、同じ場所を毎回磨き残していると、細菌は無害なものが減り、凶悪な性格のものが増えます。

CMでおなじみのプラークコントロールとは、歯を磨くことで細菌数をできるだけ少なく、無害なものに留めることです。完全に細菌を無くせないので、プラークをコントロールするのです。自己流で磨くと磨き残したり、ブラッシング圧が強く歯が削れてしまったりします。

また歯並びや歯肉の状態によってプラークコントロールの方法が違うので、歯科医院で歯の磨き方を習いましょう。

虫歯の予防法

ガムを活用した予防
代用甘味料

砂糖は細菌の大好物。細菌は砂糖を分解した栄養を採取して繁殖し、そして酸を発生させます。この酸が歯を溶かして虫歯を作るのです。
また、代用甘味料とは砂糖の構造を複雑にして細菌に分解できないようにしたものです。キシリトールやステビアなどもそうです。キシリトールはさらに細菌を抑える働きもあり注目されました。

アパタイトやカルシウム

アパタイトとはエナメル質の大部分を作っている成分で、カルシウムも入っています。
アパタイトや○○カルシウムという名前のものは、再石灰化を狙ったものが多いです。
ただし再石灰化はCO(虫歯の初期)にしか期待できません!!

リカルデント成分

配合のガム 厚生省より特定保健用食品に認定されたガム。初期の虫歯に有効な成分、CPP-ACP(リカルデント)の配合により、脱灰を修復して、再石灰化を促す「虫歯になりにくい食品」としての効果が認められています。
脱灰の始まる食後に20分間噛むと効果的のようです。(時間や回数はあくまでも目安です)

うがい薬を活用した予防

うがい薬の裏の成分表示を見てください。主なものは下に説明をしています。
ただしプラークコントロールができなければ効果はほとんどありません。うがいをするのは歯磨き後が効果的です。

トラネキサム酸 ・・・炎症を抑える
塩化セシルピリジウム ・・・細菌の殺菌
クロルヘキシジン ・・・細菌の殺菌とプラークの抑制
フッ素 ・・・歯質の強化

例えば、パーフェクトペリオは非常に効果的です。お口の中で盛んに繁殖する細菌もパーフェクトペリオに30秒漬けると死滅します。パーフェクトペリオの効果的な使用法は、使用前にブラッシングで汚れを落とす。
そして、10mlをお口に含み30秒はお口の中でブクブクしましょう。

虫歯とは細菌による感染症です。殺菌洗口剤を効果的に使用して細菌の数を減らしましょう。

MTAで神経を残す治療

歯の神経を守る:MTA歯髄(神経)温存療法

MTAとはケイ酸カルシウムが主成分のMTAによる覆髄治療であり、従来の水酸化カルシウムセメントによる治療と比べて、高い確率で神経を残すこと(歯髄温存)ができます。

従来の虫歯治療とは…

大きな虫歯を治療したり銀歯の再治療等の際に神経が露出することがあります。従来はその際に神経を取る治療を行うことが一般的でした。

しかし、歯の神経(歯髄)は、歯に感覚を伝え、栄養を与え、その上ばい菌から身体を守る免疫の働きなどを受け持つ大事な組織です。また、神経を取った歯は歯根破折や感染なのど問題が起こりやすくなり、結果的に歯の寿命を大きく縮めてしまいます。

そこで生体親和性が高く 封鎖性の良いMTAセメントという材料を用いて露出した神経を直接覆い可能な限り神経を温存するMTA覆髄治療(歯髄温存療法)に取り組んでおります。

歯髄を残すことの大切さ

歯髄は、歯の最も内部にある神経や血管がある部分で、歯に加わる色々な刺激を感知することによって痛みから虫歯などの疾患を気付かせたり、歯髄内に存在する免疫細胞が細菌に抵抗したり、侵襲に対して第二象牙質を形成するなど、歯髄組織は防御機能として重要な役割を果たしています。

また、歯を失う原因には、虫歯や歯周病、外傷、咬合等様々ですが、最も多い原因が歯根破折で喪失歯の約6割を占めているといわれています。

歯根破折を起こすほとんどの歯が神経のない歯(失活歯)であり、過去に虫歯などが原因で神経を取る処置がされています。

ですから、神経を保存することが歯の寿命にとって非常に重要であるという認識のもと、神経を取らずに残す方法を心がけています。

MTA歯髄温存療法の適応ケース

  • 虫歯と歯髄が非常に近接している。
  • 虫歯と歯髄が一部交通している状態でも神経が感染を起こしていない場合。
  • 温かいものが強くしみる症状がある際は、既に神経が不可逆的な感染を起こしている可能性が高いので、歯髄温存療法を試みても抜髄(神経を取る処置)が必要になる可能性が高くなります。
  • 虫歯が大きくても自覚症状が出ていない場合は、高い確率で神経を残せます。すなわちC2(象牙質に至る虫歯)までの虫歯が適応症です。
  • 既に神経が死んでしまっている歯や、明らかな感染性の炎症を起こしている歯(C3)は適応外です。

MTA歯髄温存療法の流れ

う蝕検知液で虫歯だけを染めて、完全に除去する。露髄が起きた場合でも周囲に感染象牙質を残さない。

生体親和性がたかく封鎖性能良い、MTAセメントを用いて露髄部を直接封鎖します。その上にフローレジンを使用し、確実に接着封鎖する。

当日、あるいは後日型どりを行い、次回の来院時に詰め物を装着し治療が完了です。

治療後一時的に痛むことがあります

MTA歯髄温存の直後は、虫歯を除去した際の刺激や覆髄処置の刺激によって、一時的に歯が過敏になります。冷たい物などでしみたりする場合がありますが、多くの場合経時的に軽減・消失していきます。

治療後も痛みがひどいとき

MTA歯髄温存を行っても 処置後に症状が生じた場合や神経の生活反応が消失した場合は、通法どおり抜髄に移行する可能性があります。

保険適用外の治療です

費用:27,500円(税込)

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